書類選考編

芸能事務所への所属オーディションは、まず「書類審査」から始まります。この書類審査を通過しないことには、会うことも許されないのです。それほど重要なものですので、丁寧に作成しましょう。
書類審査で最も大切なものは、何といっても「写真」です。オーディション担当者は全員そう答えます。その後「年齢」「サイズ」「居住地」「趣味」「特技」「経歴」「自己PR」といった流れで見ていきます。この書類が、オーディション担当者との「ファーストコンタクト」になりますので、綺麗な字で書くなど、読み手側に良い印象を与えましょう。

氏名・連絡先
当たり前ですが、電話番号やメールアドレスなどの連絡先は正確に書きましょう。書き間違えたり、読み間違えそうな文字で書くのは厳禁です。保護者の携帯番号を記入する場合は、番号の後に(母)といったように書くと親切です。
サイズ
オーディション担当者は写真を見るプロです。写真と見比べると、ありえない数字を記入する人がいますが、すぐにバレますのでサイズは正直に記入しましょう。男性でスリーサイズを書かない人も多いですが、男性も記入が必要です。基本的に空欄は作らないようにしてください。
学歴・職歴・芸歴
学歴、職歴は「○年○月 ××中学校卒業」「○年○月 ××高校入学 現在△年在学中」「○年○月~現在 ××でアルバイト中」など、過去と現在がしっかりわかるように書きましょう。芸歴は、メディアへの出演歴や、演技などのレッスン歴があれば記入します。特にない場合は、空欄ではなく「特になし」と記入しましょう。
志望ジャンル
志望ジャンルには、俳優・歌手・声優・タレント・モデル・お笑いなどがありますが、この時点で一つに絞る必要はありません。そのため、複数選択してもOKです。ただし、面接時に「何になりたいのか」を尋ねられた際、明確に答えられるよう準備は必要です。
写 真
基本的に「バストアップ写真」と「全身写真」の2枚が必要です。デジカメやスマホで撮った写真でも問題はありませんが、少しでも確率を上げたければ「スタジオ」で撮った写真をおすすめします。直近「3ヶ月以内」に撮ったものをオーディション用紙に貼り付けましょう。プロダクションには日々大量の書類が送られてくるため、写真とオーディション用紙がバラバラになる可能性もあります。そのため、写真の裏に名前を記入しておくことも大切です。
免許・資格
英検などの資格や、普通自動車運転免許など、持っている免許や資格は全て記入しましょう。芸能の仕事に関係なさそうな資格でも、芸能界の場合はどんな技能でも仕事に結びつくチャンスがあります。何もお持ちでない方は「特になし」と記入しましょう。
パーソナルデータ
本人の個性を知ってもらう欄なので特に大切です。例えば、好きなスポーツの欄に「野球」と書く場合は、しっかり経験した年数まで書きましょう。趣味や特技、好きな映画、本については、面接に進んだときに話しが膨らむ可能性がありますので、ウソはつかず、尋ねられても明確に答えられるものを書きましょう。
志望動機・自己PR
内容は全く自由ですが「頑張ります」や「根性は誰にも負けません」は誰にでも書けることです。頑張っている部活動のことや、自分をアピールできることを具体的に書きましょう。芸能界を目指すきっかけになった人や作品などの話題を、固有名詞を上げて書くのも一つの手です。
家族構成
親・兄弟姉妹はもちろん、同居していれば祖父母も記入しましょう。プロダクション側が自宅に電話連絡をする際、誰が出ても戸惑わないように、同居している人は全員書きましょう。
同意書
未成年者は、保護者の名前と捺印、そして「応募に同意します」の一言が必須です。忘れずに書いてもらいましょう。成人の方は、ここは空欄で問題ありません。

面接編

一次審査の「書類選考」に通過したら、次は「面接」です。審査の回数はプロダクションによって異なりますが、一般的な「随時オーディション」の場合、この面接ですべてが決まりますので、気合いを入れて挑みましょう。

第一印象
この面接ですが、実は入室してからの「7秒間の第一印象」で合否が決まるといっても過言ではありません。それほど、第一印象は大切です。第一印象となるとやはり「顔」が重要になりますが、これは「応募書類」でだいたいの雰囲気はつかめています。そのため、ここでは「実際の雰囲気」「写真との違い」「表情」「オーラ」、そして「挨拶」がしっかりできる子かどうかなども確認しておりますので、入室時には十分に気を付けましょう。
第二印象
パッと見の「第一印象」とは異なり、「第二印象」とは、少しの時間、触れあってから抱く印象のことです。ここでは、その人の「個性(キャラ)」や「性格」「言葉遣い」など、書類では伝わらなかった部分を確認しています。例え「第一印象」で高評価を得られなかったとしても、この「第二印象」でイメージを変えることは十分可能です。面接官を引き込めるような「エピソードトーク」や、「この子おもしろい」と思ってもらえるような「個性」「特技」は大きな強みとなりますので、武器として備えておくことに越したことはないでしょう。面接で大事なことは「インパクト」です。特に大規模なオーディションでは、面接官に「覚えてもらう」ことが重要になってきますので、その点を意識して準備をしましょう。
やってはいけないこと
「面接でやってはいけないこと」ですが、何といっても「連絡なしの遅刻」は厳禁です。芸能界は「遅刻」に非常に厳しく、例え連絡をしても「遅刻」をする時点で大減点になります。道に迷ったり、電車が遅れてしまうことはあるかと思いますが、トラブルを想定した早めの行動を心がけましょう。また、早く着きすぎても相手の迷惑になる場合があります。オーディションであれば、10分前に着けば問題ありませんので、周辺で時間をつぶしたりトイレで身だしなみを整えると良いでしょう。また、自分の面接の前にずっと携帯をいじっている方もよく見かけますが、あまり好ましくありません。家を出た瞬間から「常に見られている」という意識を持って行動するようにしましょう。

おわりに

最後に「合格の決め手」ですが、やはり一番は「顔(外見)」になります。でもそれと同じくらい大切なものが「性格(中身)」です。社員は、これから必死になってタレントを売り込まなければならないのに、性格が悪ければ「この子のために頑張ろう」という気持ちになることはできません。「この子のために頑張りたい」「この子を有名にしたい」と思ってもらえるような、そんな人材である必要があります。仮面をかぶる必要はありませんが、顔だけでなく性格も見られているということを十分に意識してください。
ちなみに、オーディションによっては「演技の審査」もあります。しかし、これはさほど重要ではありません。誰もが始めは未経験ですし、演技力は次第に付いていくものですので、あまり気負わず自信をもって挑みましょう。例え落ちてしまったとしても、オーディションを開催している事務所はたくさんありますので、諦めないで挑戦し続けることをおすすめします。