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解説

芸能界には、大手芸能事務所から弱小芸能事務所まで数多く存在しますが、その中でも有名な芸能人が所属している事務所は上位5％程度で、新しい事務所が「新規参入」で名を上げるには非常に難しい世界です。テレビで活躍している芸能人は、大抵「名のある芸能事務所」に所属しており、その顔ぶれは中々変わりません。
例えば、お笑い芸人であれば「吉本興業」や「松竹芸能」「太田プロ」「マセキ芸能社」「ワタナベエンターテインメント」、アーティストであれば「エイベックス」や「ソニーミュージック」「アミューズ」「ジャニーズ」など、実力ある老舗事務所が芸能界を牛耳っています。特に「日本音楽事業者協会」という芸能界最大の業界団体に加盟している事務所は、横のつながりが強く、巨大な組織として大きな影響力を持っています。もちろん、近年誕生した新たな芸能事務所でも勢力を拡大しているところはありますが、それはほんの一握り。それほど、芸能界は閉ざされた世界となっているのです。

日本音楽事業者協会

日本音楽事業者協会とは、1963年に「音楽プロダクション」を営む事業者により設立されたもので、芸能界にいくつかある業界団体の中でも最大規模を誇る団体です。主に「著作権」や「肖像権」「パブリシティ権」などの知的財産権の管理、タレントの引き抜きによる事務所間のトラブルの防止、タレントの雇用環境の改善などを目的に活動しており、日本を代表する大手芸能事務所がズラリと加盟しています。

日本音楽事業者協会（音事協）に加盟する主な芸能事務所

また、芸能事務所だけでなく「フジテレビ」や「日本テレビ」「電通」「博報堂」「集英社」「Twitter Japan」などの大手企業も、賛助会員として日本音楽事業者協会に加盟しています。

日本音楽事業者協会（音事協）に加盟する主な大手企業

日本音楽事業者協会に加盟する「芸能事務所」は、テレビやラジオ、雑誌、SNSなどで国民に「エンタメ」を発するマスメディアと同じ組織内にいるため、いかに大きなパイプを持っているかがお分かりいただけるかと思います。
かと言って、日本音楽事業者協会に加盟している事務所でなければ、芸能界で活躍することはできないという訳ではありません。音事協に加盟していない事務所でも、力の強い事務所はたくさんあります。

日本音楽事業者協会（音事協）に非加盟の主な芸能事務所

「ジャニーズ事務所」や「アミューズ」「スターダスト」「オスカープロモーション」といった超大手芸能事務所は、音事協に加盟していなくても、賛助会員と独自の強い繋がりを持っており、芸能界で確固たる地位を築いています。また、「フロムファースト」や「エヴァーグリーン」「テイクオフ」「サムデイ」といった芸能事務所も、音事協の中心的存在である「バーニングプロダクション」の傘下であることから、音事協に加盟していなくても同等の影響力を持っています。これが、「バーニング系列が強い」と言われる所以です。
もちろん、上記の勢力図は「一部」を切り取ったもので、力のある芸能事務所はまだまだあります。最近ではSNSの普及により「独自」でエンタメを発信できるようになったため、小規模事務所でも有名人を輩出している事務所が増えてきました。以前よりチャンスは格段に増えているのです。そのため上記「勢力図」は、あくまでも参考程度にご覧いただけますと幸いです。