「週刊文春」がスクープを連発できる秘密

本日は「週刊文春」がスクープを連発できる秘密について話していきたいと思います。
週刊文春と言えば「文春砲」でお馴染みの大ヒット週刊誌で、芸能人や有名人が最も恐れる週刊誌と言っても過言ではありません。
数ある週刊誌の中でもナンバーワンの発行部数を誇り、最近は「文春無双」状態でもあります。
しかし、なぜ週刊文春はこれほどまでにスクープを連発できるのでしょうか。
それにはちょっとした秘密があります。
まずは週刊文春の「スキャンダル発覚から記事掲載までの流れ」について見ていきましょう。

スキャンダル発覚から記事掲載までの流れ

月曜日:入稿
火曜日:休日
水曜日:ネタ会議
木曜日:ネタ会議・ネタのゴーサイン(発注)・発売日
金曜日:取材執筆
土曜日:取材執筆
日曜日:取材執筆

大手週刊誌「週刊文春」では、水曜日の午前中に行なわれる「ネタ会議」から全てがスタートします。
記者の人脈から仕入れたネタや「文春リークス」というタレコミ専用のサイトから入った情報などを基に、どのネタを取り上げるのかを決めるのです。
ここで、ただの噂ではなく信憑性のあるネタかどうか等を判断し、木曜日にネタのゴーサインが出され、記者は取材と執筆に取り掛かります。
その期間は、金・土・日のおおよそ三日間。
そして月曜日に入稿し、火曜日に休み、水曜日から新たなネタ会議が始まるのです。
月曜日に入稿した原稿は、木曜日に冊子となって全国に発売されます。

出典:https://www.san-an.co.jp/

記者は社員ではなく個人事業主(フリー)

週刊文春の体制ですが、編集部には「編集長」と「デスク」、そして数十人の「記者」がいます。
編集長とデスクは「社員」ですが、記者は一部の社員記者を除き、大半が「個人事業主」となります。
いわゆる「フリー記者」です。
つまり週刊文春と「個人で契約」を結んでいることになります。
しかし、個人事業主と言ってもその腕前はかなりのもの。
週刊文春の記者は能力が高く非常に優秀で、他誌で10年以上経験したベテランが揃っています。
初心者は見向きもされず、他誌で実績を残した記者だけをヘッドハンティングする形で採用しているのです。
この数十人の記者の力によって週刊誌のトップに君臨していると言っても過言ではないでしょう。

記者は休みがない

上記のスケジュールでは「火曜日」が休日となっていますが、基本的に記者に休みはありません。
実は週刊文春の記者には「1人5本のネタ(スキャンダル)」がノルマとして課せられているため、常日頃から情報収集をしなければならないのです。
もちろん、ネットに転がっているようなネタではなく、まだ誰も知らない、独自で調べたネタを用意し、会議でプレゼンする必要があります。
下手なネタを会議で出すと馬鹿にされるため、若手もベテランも毎週のようにネタ出しに命を懸けているのです。
総スタッフ数は約50名いるので、毎週250本のネタが集まり、その後のデスク会議において250本の中から厳選された20本が選ばれます。
そして取材チームを編成し、取材がスタートするのです。

週刊文春は取材費を惜しまない

電子書籍化により、紙媒体が売れなくなってきたこのご時世。
週刊誌業界では取材経費が年々減少されていますが、週刊文春は未だに「取材費を惜しまない」ことで有名です。
ある大手出版社では、取材でも飲食代は1万円までという決まりがあり、タクシー代も出づらく、1週間で2~3万円の経費を提出しただけでも白い目で見られることがあります。
しかし、週刊文春の場合は、年間1,000万円以上の取材経費を使う記者が複数いたそうです。
さすがに上層部からの呼び出しはあったものの、それなりの結果を出していたため問題はなかったようですが、「良いネタを取り上げるには取材費を惜しまない」という週刊文春のこの姿勢が、大スクープを連発できる理由の一つだと言えるでしょう。


週刊文春がスクープを連発できる最大の秘密

週刊文春が週刊誌業界の中でトップに君臨し、スクープを連発できる最大の秘密があります。
それは「芸能事務所が週刊文春に交渉できない」という点です。
これは一体どういうことなのかと言うと、他の大手出版社であれば、週刊誌以外にも「ファッション誌」や「情報誌」などを出版しているため、芸能事務所側が「そのスキャンダルを記事にするなら、ファッション誌の方にウチのタレントを出さない」など、脅しをかけることが出来ます。
または「他のタレントのスキャンダルを提供するので、今回の件は報道しないでほしい」など、出版社と交渉することで本件を表に出させないよう取引ができるのです。
しかし、週刊文春を出版する「文藝春秋」は、文芸誌中心の出版社であるため、そのような交渉には応じない姿勢を貫いています。
よって、週刊文春は、各芸能事務所にとって「交渉が難しい相手」であり、芸能事務所が嫌がるビッグニュースでも記事にすることが出来るのです。

掲載前に芸能事務所に連絡する理由

芸能人のスキャンダルを掲載する前に、芸能事務所へ連絡することが日常になっている週刊誌業界。
しかし週刊文春は、芸能事務所に「〇〇さんの記事を載せます」という連絡をしている訳ではありません。
あくまでもその写真に写っている人物が、本当に本人なのかの確認(裏取り)をするために、連絡をしているのです。
直撃取材で本人が真実を話せば事務所に連絡をする必要はありませんが、大抵の芸能人は無視(黙秘)をしたり、事務所を通してと返答します。
そのため、結果的に所属事務所に連絡しなければいけない状況になるのです。
それを所属事務所は、「記事が掲載される前に、前もって教えてくれた」と判断しているようです。

週刊文春が一番嫌なこと

上記のように、所属事務所に連絡をした結果、週刊文春の発売日より前に「スポーツ新聞」など他の媒体に「事務所自身」がリークすることもあります。
これは影響力の強い「週刊文春」で発表されるよりも、影響力が小さい他のスポーツ新聞で発表された方が被害は小さくなるとの考え。
また、所属事務所と良い関係を築いている出版社にリークをすることで「手柄をあげさせて恩を売る」ことも出来るのです。
週刊文春からすると、莫大な取材費をかけて大スクープを得たのに、手柄を横取りされたことになるため、これが一番許せないと言います。
ちなみに「ベッキー事件」では、本誌発売前日に事務所がベッキーの「記者会見」を開いたことで、週刊文春を怒らせることになりました。

スキャンダル潰しの対策

上記の行為を「スキャンダル潰し」というのですが、そのスキャンダル潰しの対策として、WEBメディアを利用する方法があります。
紙媒体だとどうしても出版するまで時間がかかり、芸能事務所側に猶予を与えてしまうことになります。
その間に芸能事務所がやりたい放題する可能性もあるため、それを阻止するためにも「自社のWEBメディア」で先に情報を流すことがあるのです。

芸能人に訴えられないのか

このようなスキャンダルを記事にして「芸能人に訴えられないのか」という疑問をお持ちの方も多いことでしょう。
確かに「プライバシーの侵害」だったり、「名誉棄損」だったり、訴えられてもおかしくありません。
現に、芸能人側から起訴されることはよくあるそうです。
しかし、途中で訴えを取り下げる芸能人がほとんどとのこと。
その主な理由は2つあります。

勝てる見込みがないため

これまでに説明した通り、週刊文春の記者はかなりレベルが高く、訴えられることも事前に想定しているため、事実である可能性が極めて高いネタしか記事にしていません。
事実であるが故に、芸能人側も勝てる見込みがないと踏んで、訴えを取り下げるのです。
また、「訴えられた」など続けて記事にされる恐れもあるため、出来る限り早期に沈着させるためにも、訴えを取りやめる芸能人が多いのです。

アクションとして訴える

勝てる見込みがないというのがわかっていても、アクションで訴える芸能人がいます。
もし、これだけの被害を受けて訴えることをしなかったら「これは事実」と認めていることになるからです。
そのため、世間に戦う姿勢を見せつけるためにも「アクション」として訴える芸能人がいるのです。

週刊文春にもタブーがある!?

政治や経済、芸能など、どんなことにも臆せずスキャンダルを記事にする週刊文春ですが、果たしてタブーはあるのでしょうか。
表向きには「週刊文春にタブーはない」とされていますが、少なからずタブーは実在しています。
例えば、週刊文春から「芥川賞作家」や「直木賞作家」のスキャンダルが報じられたことがあるでしょうか―。
筆者は今までに見たことがありません。
「芥川賞」や「直木賞」は、文藝春秋が主催しているため、自らの「ブランド」に傷をつけるようなことはしないでしょう。
これも一つのタブーと言えるのではないでしょうか。
また、スポンサーの関係で、記事にしないこともあります。
タブーはないと言われていても、文春には文春の都合があるのです。


週刊誌の発行部数ランキング

ここで、各週刊誌の発行部数をランキング化しました。
部数算定期間は2019年10月~2019年12月の3ヶ月間。
ぜひ参考にご覧ください。

[第1位]週刊文春

出版社:文藝春秋
発売日:毎週木曜日
発行部数:551,692
「週刊新潮」と並ぶ老舗週刊誌。新聞・テレビが書かない記事(理由があって書けない記事)を書くスタイル。

[第2位]週刊新潮

出版社:新潮社
発売日:毎週木曜日
発行部数:368,343
「週刊文春」と並ぶ老舗週刊誌。週刊文春は同じ「文芸出版社系」の週刊誌であるため、一番のライバル。

[第3位]週刊現代

出版社:講談社
発売日:毎週月曜日
発行部数:360,000
業界トップクラスの大手週刊誌。「週刊少年マガジン」に次ぐ、講談社の「第2の週刊刊行物」とされている。

[第4位]週刊ポスト

出版社:小学館
発売日:毎週月曜日
発行部数:345,600
ライバルは週刊現代。週刊現代同様、30代~40代のサラリーマンを主なターゲットとしている。

[第5位]FRIDAY

出版社:講談社
発売日:毎週金曜日
発行部数:190,769
「写真週刊誌」としては業界No.1の大手週刊誌。スキャンダル写真ありきの記事構成となっている。

[第6位]週刊プレイボーイ

出版社:集英社
発売日:毎週月曜日
発行部数:166,667
集英社が出版する週刊誌。「バカ記事」と呼ばれるジャンルを持っている。

[第7位]週刊大衆

出版社:双葉社
発売日:毎週月曜日
発行部数:152,390
ヤクザ・エロス・スキャンダルを得意とする週刊誌。読者は男性91%、女性9%。

[第8位]FLASH

出版社:光文社
発売日:毎週火曜日
発行部数:137,392
「FRIDAY」と同じ写真週刊誌。ライバルはFRIDAY。

[第9位]週刊アサヒ芸能

出版社:徳間書店
発売日:毎週火曜日
発行部数:122,393
名前に「アサヒ」が入っているが「朝日新聞」とは全く関係のない週刊誌。芸能ゴシップに強い。

[第10位]週刊朝日

出版社:朝日新聞出版
発売日:毎週火曜日
発行部数:109,792
こちらが本物の朝日新聞の週刊誌。「新聞社系老舗週刊誌」として有名。

[第11位]SPA!

出版社:扶桑社
発売日:毎週火曜日
発行部数:102,610
フジサンケイグループの出版社「扶桑社」から発行されている週刊誌。「世相をスパッと斬る」が誌名の由来。

[第12位]AERA(アエラ)

出版社:朝日新聞出版
発売日:毎週月曜日
発行部数:73,683
朝日新聞出版が発行する「新聞社系老舗週刊誌」の一つ。ライバルは「親」の朝日新聞。

[第13位]サンデー毎日

出版社:毎日新聞出版
発売日:毎週火曜日
発行部数:60,177
政治経済を強みとしている「新聞社系老舗週刊誌」の一つ。発売日は日曜日(サンデー)ではなく火曜日。

[第14位]ニューズウィーク日本版

出版社:CCCメディアハウス
発売日:毎週火曜日
発行部数:50,115
主に政治や社会情勢を扱うアメリカの週刊誌。その日本版。

出典:https://www.j-magazine.or.jp/

おわりに

いかがでしたでしょうか。
これが週刊誌業界ナンバーワンである「週刊文春」が無双状態である秘密です。
週刊文春に掲載されている記事は極めて信憑性が高く、またネタの内容も非常に興味深いため、人々が週刊文春を手にする気持ちが理解できます。
次は一体どんなスクープを取り上げてくれるのでしょうか。
週刊文春から目が離せません―。



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