2018年に驚異的な記録を成し遂げたインディーズ映画「カメラを止めるな!」。
この映画がどれほどすごい映画なのかは、下記の記事で説明した通りだ。
今回は、カメラを止めるな!の興行収入である「30億円」が、どこにどれだけ入ったのか―。
気になるお金の疑問を解明していく。
はじめに
まず、このカメラを止めるな!だが、上記記事でも説明した通り、「ENBUゼミナール」という映画の専門学校が作ったインディーズ映画だ。
そのため、出演者には「ギャラ」が支払われるどころか、受講料として1人約14万円のお金が徴収されている。
簡潔に述べると、生徒は「お金を支払って映画に出させてもらった」ということだ。
カメラを止めるな!に出演した俳優12人から約14万円の受講料を徴収しているので、合計168万円。
また、この映画を製作するために実施したクラウドファンディングでは「157万円」のお金を集めることに成功したので、合算すると「325万円」。
概算だがこの325万円が、この映画の製作費となる。
出典:http://kametome.net/index.html
そして、完成した作品は、2017年に新宿のミニシアターで1週間ほどイベント上映されたのだが、これが好評だったため、2018年6月にも都内の2館で公開されることになった。
そこで、大手配給会社である「アスミック・エース」の幹部の目に留まり、最終的には350をも超える劇場(映画館)で上映されたのだ。
劇場側(全国約350館)に入るのは約5割(15億円)
ここで本題の「お金」の話だが、興行収入30億円の内、劇場側には約半分の「5割」が入るとされている。
もちろん、上映数や動員数など劇場によって大きく異なるので、その金額もバラバラだが、約15億円が350館の劇場に入るのだ。
配給側(アスミック・エース)に入るのは約1割(3億円)
「カメラを止めるな!」の火付け役である映画配給会社の「アスミック・エース」には「1割」が入るとされている。
30億円の1割なので、約3億円。
製作側(ENBUゼミナール)に入るのは約4割(12億円)
そして、残った4割が、製作側の「ENBUゼミナール」に入るのだ。
金額としてはおおよそ12億円。
出演者へのギャラもほとんどないため、専門学校にとっては大きな貯えが出来たと言える。
おわりに
ENBUゼミナールの代表を務める「市橋浩治」はお金の使い道についてこう語った。
これからは少し製作費を上げるかもしれません。
ただ、億単位の製作費による商業映画を作りに行く気はないです。
製作趣旨はあくまで人を育てる、世に出たい役者を応援する、ということですから。
出演者やスタッフには、それぞれの役割に対する追加報酬(ボーナス)が支払われた。
しかし彼らにとって、お金以上にもっと価値があることを得られただろう。
この映画をきっかけに、テレビやイベントに引っ張りだことなったのだから―。
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