ハリウッドとは

ハリウッドとは、アメリカ合衆国カリフォルニア州のロサンゼルス市にある地区のことで、映画産業の中心地です。全世界の映画に影響力のある「アメリカ映画」そのものを「ハリウッド映画」と呼ぶことがありますが、厳密には、ここで作られた作品のことを「ハリウッド映画」と言います。気候が温暖で快晴日が多く、また「海岸」や「山」「砂漠」など自然に恵まれた地域でもあるため、多くの映画製作会社が拠点を構えています。ハリウッド映画の「ビッグシックス」と呼ばれる映画製作会社「ワーナーブラザーズ」「ウォルトディズニー・ピクチャーズ」「ユニバーサル・ピクチャーズ」「パラマウント・ピクチャーズ」「20世紀フォックス」「ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント」も、ここハリウッドに拠点を置いています。これらの「ハリウッド映画」に出演し「ハリウッドスター」になることを夢見て、アメリカ本土だけでなく世界中から役者が挑戦しているのです。もちろん、日本から挑戦する人も少なくありません。今回は、日本人がハリウッドに挑戦するための予備知識を簡単に説明します。

日本の芸能界とアメリカの芸能界の違い

まず、日本でいう「芸能プロダクション」を、アメリカでは「エージェント」と呼びます。しかし、日本のように「所属」するわけではなく、アメリカの俳優、女優、監督、脚本家たちは、エージェントと「個人契約」をして活動をします。いわば「個人事業主」なので、エージェントからすれば「タレント」は「クライアント(顧客)」になります。
アメリカのエージェントは主に「出演交渉」「金額交渉」「契約交渉」など仕事に関わる取引をするだけで、タレントのマネジメント業務は行ないません。スケジュール管理などのマネジメント業務を行なうのは、マネジメントカンパニーの「マネージャー」が行ないます。ベテラン俳優は大抵マネージャーを付けており、弁護士、会計士、アシスタントまでも自分で抱えることが多いのです。したがって、ハリウッドの「エージェント」「マネジメント」の両方の仕事をしているのが、日本の「芸能プロダクション」ということになります。

ハリウッドデビューするには

もっとも重要なことは「アメリカで働けるビザを取得すること」です。アメリカで働くには、リーガルな労働ビザが必要です。市民権や永住権が無い場合は、いわゆる「俳優ビザ」と呼ばれている「Oビザ」でも働くことができます。日本でタレント経験があれば「Oビザ」を取得しやすいですが、この他にも「アクティングスクール」などで「学生ビザ」を取り、数年後に「トレーニングビザ(OPT)」を取得して、働くことも可能です。
あとは、オーディションで「合格」を勝ち取るために実力をつけなければなりません。日本にも、芸能人になるための養成所は多数存在しますが、アメリカにも「アクターズスタジオ」という超一流の養成所が存在します。この「アクターズスタジオ」の副学長であるジェームズ・リプトン氏は、「卒業生は何百人といますが、その中でスターとして成功するのは、たったの2~3人です」と言われました。それほど「ハリウッドスター」になるのは難しいのです。
ハリウッドでは、知名度が相当高い俳優でもオーディションを受けることが多々あります。また、例え優秀なエージェント会社と契約をしていても、「スクリーン・アクターズ・ギルド」という組合の会員にならなければ、「ハリウッド俳優」として認められず、活躍することはできません。

スクリーン・アクターズ・ギルド(SAG)

「スクリーンアクターズギルド」とは、「ユニオン」というアメリカエンタテインメント業界の組合の一つです。

ユニオン
– SAG(Screen Actors Guild:米国俳優組合)
– AFTRA(American Federation of Television and Radio Artists:米国テレビ・ラジオアーティスト組合)

アメリカで製作される映画は、学生製作作品から映画スタジオ管轄の作品まで、ユニオン規定に基づいて作られています。製作会社は「SAG」に登録し、許可されるとSAGのメンバーである俳優を雇う権利がもらえます。ユニオンに登録せずに製作される作品は「ノンユニオン映画」と呼ばれ、ノンユニオン映画はSAGに登録していない「ノンユニオン俳優」しか使うことができません。
多くの俳優は、最初は「ノンユニオン」からスタートして、キャリアがついてくると、アメリカでの必然的な過程となる「ユニオン俳優」になります。「ユニオン映画」は、全てのユニオン契約とルールに基づいて撮影が行なわれるので、融通が利かない、予算がオーバーしやすい、製作側の都合で交渉できないことが多い、俳優に印税を払い続けなければいけないなどの条件があり、「ノンユニオン映画」だと、全てのルールは自分たち次第で、何も気にせず製作できる代わりに、「ユニオン俳優」が使えないので「作品の質」が落ちてしまうという問題が生じます。新人は「ノンユニオン俳優」としてキャリアをスタートさせ、「ノンユニオン」「ユニオン」のオーディションを受け始めます。コマーシャルの場合は、ユニオンの仕事で「主役」として一度でも採用されれば、ユニオンメンバーになる資格が与えられます。少し複雑かもしれませんが、ユニオンが「プロ」、ノンユニオンが「アマチュア」と考えれば理解しやすいかもしれません。

SAGのシステム

スクリーンアクターズギルドは、1933年に創設された組合で、適正な報酬、福利厚生、労働環境など、俳優を守るために設立された団体です。映画のギャランティーも、下記のように定められています。

– 製作費200,000ドル未満の映画の場合 / 俳優への報酬は1日100ドル以上
– 製作費625,000ドル未満の映画の場合 / 俳優への報酬は1日268ドル以上
– 製作費2,500,000ドル未満の映画の場合 / 俳優への報酬は1日504ドル以上
– 上記の低予算製作映画に入らない通常の映画の場合 / 俳優への報酬は1日809ドル以上

しかし、SAGに加入するには当然費用がかかります。
初期費用として「2,277ドル」、年会費は収入に基づいた額(最低116ドル)を支払うことになります。
※スクリーンアクターズギルド(映画俳優組合)は、現在「米国テレビ・ラジオアーティスト組合」と合併し、「SAG-AFTRA」となりました。

ハリウッド4大エージェンシー

アメリカ合衆国にも、数多くの「エージェント」(日本でいう芸能事務所)が存在しますが、その中でも特に力が強い「大手エージェント」が4社あります。 これを「ハリウッド4大エージェンシー」と呼びます。
英語が堪能なのは最低条件として、演技に自信がありハリウッドで活躍したいという方は、これらのエージェントにアプローチしてみるのも一つ方法です。