2005年12月に誕生したAKB48。
未だ人気が衰えることもなく、むしろ「48グループ」として勢力を拡大し続けております。
2008年には名古屋栄を拠点とする「SKE48」
2010年には大阪難波を拠点とする「NMB48」
2011年には福岡博多を拠点とする「HKT48」
2015年には新潟を拠点とする「NGT48」など、姉妹グループを次々と誕生させております。
出典:http://akb48taimuzu.livedoor.biz/
まるで、女性版「ジャニーズ」のようですが、ジャニーズとは大きく異なる点が一つあります。
それは「各メンバーの所属事務所がバラバラ」ということです。
例えば、元メンバーも含めますが「横山由依」や「入山杏奈」「前田敦子」「大島優子」「指原莉乃」は太田プロダクション、「渡辺麻友」や「小嶋陽菜」「高橋みなみ」「峯岸みなみ」は尾木プロ、「柏木由紀」や「大家志津香」はワタナベエンターテインメント、「板野友美」や「河西智美」はホリプロ、「篠田麻里子」や「松井咲子」はサムデイなど、見ての通りAKB48メンバーの所属事務所は各々によって異なるのです。
その理由は一体なんなのでしょうか。
また、AKB48グループはどのようなシステムになっているのでしょうか。
今回は「AKB48メンバーの所属事務所がバラバラな理由とその仕組み」について解説していきたいと思います。
目 次
株式会社AKSとは
まず、本題に進む前に「AKS」という会社について説明します。
AKSとは、AKB48の立ち上げに大きく関係したメンバーである「秋元康(A)」「窪田康志(K)」「芝幸太郎(S)」の頭文字を取ったもので、芸能プロダクション兼AKB48の運営会社です。
元々は「office48」という会社でAKB48の運営を行なっていたのですが、新たに「AKS」が設立されたことで、その業務のほとんどが「AKS」に移管されました。
そのため、AKB48のオーディションに合格した者(研究生)は、まずはこの「AKS」に所属することになります。
人気者になったら移籍
上記で説明した「株式会社AKS」でアイドル活動を行なっている内に、「AKB48選抜総選挙」などで上位に入り「人気者」になるメンバーが出てきます。
例えば、元メンバーで事例を挙げると、「板野友美」や「前田敦子」です。
この人気者になったメンバーは、積極的に他の芸能プロダクションに移籍させてしまうというのが、秋元康のやり方なのです。
本来であれば、手間暇かけて育てたアイドルがようやく人気者になったのに「他事務所」に移籍させてしまうなんて勿体ないと思ってしまいがちですが、その理由は主に3つあります。
理由1.マネジメントや露出強化のため
AKB48グループのメンバー数は、「ギネス世界記録」にも認定されるほどの大所帯のため、メンバー全員をマネジメントするとなるとかなりの人手が必要となります。
また、メディアへの露出強化を図るためには「大手芸能事務所」の方が強いことは言うまでもありません。
そのため、人気者になったアイドルは「更なる露出強化のため」他の大手芸能事務所に移籍させるのです。
今までにたくさんのアイドルが他事務所に移籍しましたが、その多くが個人活動の幅を広げております。
理由2.卒業後の活動のため
アイドルには「年齢制限」が付きものです。
そのため、いつかはAKB48グループから卒業しなくてはなりません。
そうすると、アイドル事務所である「AKS」では、満足のいく芸能活動をさせてあげられないことになります。
女優の道、タレントの道、アーティストの道など色々ありますが、アイドル卒業後も自分の理想の芸能活動を行なえるように、大手芸能事務所に移籍させるのです。
理由3.多額の移籍金のため
上記理由のためにこれを「無償」でしたらただのお人良しです。
これは「アイドルビジネス」。
人気アイドルの移籍には少なからず「移籍金」が発生すると言われております。
(スポーツ界をイメージすれば分かりやすいかもしれません)
その額はアイドルによって異なりますが、事務所同士で合意された場合にのみ、移籍が実現するのです。
芸能事務所「移籍」の条件
AKB48メンバーの移籍には、移籍金以外にも条件があります。
条件1.AKB48グループでの活動に伴うギャラはAKSのもの
芸能事務所を移籍しても、あくまでもそのタレントは「AKB48グループ」の一員であり、その管轄は「AKS」にあるため、グループ活動に伴うギャラは所属事務所ではなく「AKS」のものになるという条件です。
そのため、所属事務所が稼ぐには「個人活動」をさせなければなりません。
女優の仕事であったり、CMの仕事であったり、モデルの仕事であったり、タレントの仕事であったり。
個人活動での収入しか所属事務所には入らないため、積極的に営業をかけていかなければならないのです。
条件2.AKB48のグループ活動を優先させること
上記で説明した通り、所属事務所は「個人活動」をさせるために様々なメディアに営業をかけなければなりません。
しかし、もう一つの条件として「AKB48のグループ活動を優先させること」があります。
これがまたネックで、人気アイドルとなると、スケジュールのほとんどがAKB48としての活動で埋められてしまい、所属事務所での活動が思うようにいかないのです。
移籍先事務所の本音
人気アイドルを獲得するために多額の「移籍金」を支払ったのに、その人気アイドルで稼ぐことすらままならない。
そのため、知名度が高く個人でも活躍していけそうなアイドルには、なるべく早く「AKB48から卒業させたい」というのが移籍先事務所の本音です。
そうすることで、個人の仕事をどんどん入れることができ、事務所としても稼ぐことができます。
その成功例として挙げられるのが、太田プロダクションに所属した「指原莉乃」と、エイベックス・マネジメントに所属した「川栄李奈」でしょう。
指原莉乃はタレントとしてバラエティ番組で大活躍し、川栄李奈はTV-CMに引っ張りだこの女優です。
移籍先事務所としては、獲得したアイドルが「AKB48を卒業してから」が、本当の勝負だといえるのです。
まとめ
所属事務所によって「バラエティに強い」「ドラマに強い」「CMに強い」など、それぞれ「カラー」は異なるものの、芸能事務所の移籍はメンバー達の卒業後の進路が明白になるため、AKB48メンバーにとってはかなりメリットが高いと言えます。
また、運営会社である「AKS」にとっても、移籍した各個人の活躍がグループに還元され、グループ自体のブランド力も底上げされるため、メリットがあると言えます。
しかし、移籍先事務所にとっては少し「リスク」が大きかったのか、ここ数年は現役メンバーの移籍はほとんど行われませんでした。
2017年には再び「現役メンバーの移籍」が実施されたものの、当時のような「移籍フィーバー」はありません。
このシステムは今後どうなっていくのか、非常に楽しみです。
最後に、「AKS」以外の芸能事務所に所属している主な「現役メンバー」と「元メンバー」を下記に掲載して終わりとします。
AKS以外の芸能事務所に所属している主な「現役メンバー」と「元メンバー」
太田プロダクション
前田 敦子(まえだ あつこ) AKB48選抜総選挙 最高順位 1位
大島 優子(おおしま ゆうこ) AKB48選抜総選挙 最高順位 1位
指原 莉乃(さしはら りの) AKB48選抜総選挙 最高順位 4位
横山 由依(よこやま ゆい) AKB48選抜総選挙 最高順位 6位
北原 里英(きたはら りえ) AKB48選抜総選挙 最高順位 11位
入山 杏奈(いりやま あんな) AKB48選抜総選挙 最高順位 18位
野呂 佳代(のろ かよ) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
ホリプロ
板野 友美(いたの ともみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 4位
河西 智美(かさい ともみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 10位
宮崎 美穂(みやざき みほ) AKB48選抜総選挙 最高順位 18位
大堀 恵(おおほり めぐみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 24位
石田 晴香(いしだ はるか) AKB48選抜総選挙 最高順位 27位
仁藤 萌乃(にとう もえの) AKB48選抜総選挙 最高順位 29位
山内 鈴蘭(やまうち すずらん) AKB48選抜総選挙 最高順位 36位
大島 麻衣(おおしま まい) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
石田 安奈(いしだ あんな) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
岩田 華怜(いわた かれん) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
プロダクション尾木
渡辺 麻友(わたなべ まゆ) AKB48選抜総選挙 最高順位 1位
高橋 みなみ(たかはし みなみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 4位
小嶋 陽菜(こじま はるな) AKB48選抜総選挙 最高順位 6位
峯岸 みなみ(みねぎし みなみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 14位
多田 愛佳(おおた あいか) AKB48選抜総選挙 最高順位 20位
市川 美織(いちかわ みおり) AKB48選抜総選挙 最高順位 39位
Mama&Son(尾木プロの関連会社)
向井地 美音(むかいち みおん) AKB48選抜総選挙 最高順位 13位
加藤 玲奈(かとう れな) AKB48選抜総選挙 最高順位 21位
Showtitle(吉本興業の子会社)
山本 彩(やまもと さやか) AKB48選抜総選挙 最高順位 6位
白間 美瑠(しろま みる) AKB48選抜総選挙 最高順位 12位
小笠原 茉由(おがさわら まゆ) AKB48選抜総選挙 最高順位 54位
渋谷 凪咲(しぶや なぎさ) AKB48選抜総選挙 最高順位 56位
小谷 里歩(こたに りほ) AKB48選抜総選挙 最高順位 61位
ワタナベエンターテインメント
柏木 由紀(かしわぎ ゆき) AKB48選抜総選挙 最高順位 2位
倉持 明日香(くらもち あすか) AKB48選抜総選挙 最高順位 21位
大家 志津香(おおや しづか) AKB48選抜総選挙 最高順位 29位
川崎 希(かわさき のぞみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
エイベックス・マネジメント
川栄 李奈(かわえい りな) AKB48選抜総選挙 最高順位 16位
サムデイ
篠田 麻里子(しのだ まりこ) AKB48選抜総選挙 最高順位 3位
松井 咲子(まつい さきこ) AKB48選抜総選挙 最高順位 38位
ビッグアップル
島崎 遥香(しまざき はるか) AKB48選抜総選挙 最高順位 7位
アービング
松井 珠理奈(まつい じゅりな) AKB48選抜総選挙 最高順位 4位
片山 陽加(かたやま はるか) AKB48選抜総選挙 最高順位 28位
永尾 まりや(ながお まりや) AKB48選抜総選挙 最高順位 35位
長良プロダクション
岩佐 美咲(いわさき みさき) AKB48選抜総選挙 最高順位 33位
サンミュージックプロダクション
小嶋 真子(こじま まこ) AKB48選抜総選挙 最高順位 19位
オスカープロモーション
前田 亜美(まえだ あみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 37位
前田 美月(まえだ みつき) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
イトーカンパニー
藤江 れいな(ふじえ れいな) AKB48選抜総選挙 最高順位 32位
近野 莉菜(ちかの りな) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
ジャパン・ミュージックエンターテインメント
大場 美奈(おおば みな) AKB48選抜総選挙 最高順位 35位
阿部 マリア(あべ まりあ) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
トライストーン・エンターテイメント
木﨑 ゆりあ(きざき ゆりあ) AKB48選抜総選挙 最高順位 22位
松竹芸能
岡田 彩花(おかだ あやか) AKB48選抜総選挙 最高順位 57位
大沢事務所
佐藤 亜美菜(さとう あみな) AKB48選抜総選挙 最高順位 8位
フレイヴ エンターテインメント(office48からマネジメント事業を引継)
秋元 才加(あきもと さやか) AKB48選抜総選挙 最高順位 12位
梅田 彩佳(うめだ あやか) AKB48選抜総選挙 最高順位 16位
増田 有華(ますだ ゆか) AKB48選抜総選挙 最高順位 20位
奥 真奈美(おく まなみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
光宗 薫(みつむね かおる) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
折井 あゆみ(おりい あゆみ) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
鈴木 まりや(すずき まりや) AKB48選抜総選挙 最高順位 ―
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